毒蛇による咬傷
2023年12月09日
こんにちは。
獣医師の山中です。
今回は当院を受診された毒蛇、恐らくマムシに咬まれたワンちゃんの症例についてお話をさせて頂きます。
蛇に咬まれるケースでは一般的に草むらをクンクンして鼻の周辺を蛇に咬まれてしまうことが多いようです。
毒蛇に鼻の周辺を咬まれてしまうと顔全体が膨れあがり独特な顔貌になることも。とっても可哀想なのですが、同時にどこかユーモラスな顔つきでSMS等で話題になったりします。
さて、今回ご紹介する症例ですが飼い主様はマムシが咬みつく瞬間はご覧になっていませんでした。
飼い主様がワンちゃんのただならぬ様子から左前脚の傷に気付かれ、すぐに来院されたとのことです。
素晴らしいご判断です!
蛇毒にはワンちゃんの体を構成している蛋白質を分解する作用があり、出血、溶血、壊死を引き起こす物質や、心臓や神経に毒となる恐ろしい物質が含まれています。
重症化することもあるので早急な治療が必要です。
どうしたら咬みつく瞬間を目撃しないで、毒蛇による咬傷と判断できるのでしょうか。
その鍵は傷の特徴にあります。
マムシには上顎の先端に長い毒牙が2本あるため対称性に傷が2カ所でみられることが多いです。
症例のワンちゃんですが来院時は左前脚を挙上した状態で来院され、出血が止まらなく、激痛から鳴き続けている状態でした。
その後、更に周囲の皮膚に腫れも進み大変痛々しい様子になってしまいました。涙。
直ぐに入院となり、血液検査によるモニタリングを行いながら、様々なお薬の投与、輸液の点滴などの治療をさせていただきました。
その結果、幸いなことに4日間の入院ですっかり元気になり普通に歩けるようになりました。
もし蛇による咬傷が疑われましたら早めの受診をお願いします!
獣医師
山中