CT検査
当院は2017年の病院移転拡張工事の際にCTを導入しました。全国的にもCTを導入している動物病院はまだまだ少なく、導入している動物病院は、2021年時点では全体の約2.8%と言われています。
CTを導入したことで、他院へ移動して実施していたものが移動の負担なく当院で検査をおこなえるようになりました。
CT検査でできること
CTとは、レントゲン検査で用いるような X線装置が体の周囲を回り、360度から連続撮影することで体の断面図を得ることができる機械です。
通常のレントゲンは一方向から撮影して二次元的な平面の画像であることに対して、CTでは三次元的に解析できるため、より詳細な情報を得ることができます。
人間でも精密検査の際に実施しますよね。それがわんちゃんねこちゃんにも実施できるのです。
小さな病変の見逃しが少なく、高画質で立体的に見ることで、レントゲン検査や超音波検査では分からない病態の診断や、手術に必要な情報を的確に把握、構造が複雑な部位の細かい評価が可能です。
全身麻酔の必要性
動物のCT検査は全身麻酔をかける必要があります。人間は指示に従い、じっとして息を止めておくことができますが、動物はじっと出来ませんし、 呼吸を止めることもできないためです。正確な診断のため、画像がぶれてしまわないように全身麻酔をかけて検査をおこないます。
※動物の状態によっては獣医師の判断で無麻酔検査をおこなう場合もあります。ご相談ください。
CT検査が有効な病気
CT検査で分かる異常は多岐にわたります。
脳・肺・腹部臓器・骨などにおいて、 腫瘍の浸潤範囲や転移の確認などに威力を発揮します。
腫瘍以外でも、その他の検査で原因のはっきりしない胸腔・腹腔内の異常、手術前の精密検査(骨折・消化管内異物など)、呼吸器症状、顔面の腫脹、意識障害、四肢麻痺などの際にCTが有用です。
頭部 |
水頭症 外耳炎 中耳炎 歯科疾患 腫瘍(脳・鼻腔・口腔・眼窩) 骨折 脳障害 意識障害 顔面の腫れ |
胸部 |
腫瘍(肺・腫瘍の肺転移) 肺葉捻転 気管虚脱 骨折 |
脊椎・脊髄 |
椎間板ヘルニア 腫瘍 骨折 |
腹部 |
腫瘍(肝臓・腎臓・脾臓・膵臓・副腎・膀胱・腸・リンパ節) 門脈シャント 結石(腎臓・膀胱・尿管) 腸閉塞
重積捻転(胃・腸・脾臓) 異物 骨折 |
読影について
CT画像の判断には専門知識が必要です。
当院では他院のCT 検査のスペシャリストに読影を依頼しています。
専門家と連携をとり、正確な診断によってより質の高い獣医療を皆様に提供できるよう取り組んで参ります。
CT健診
当院ではCT健診を実施しています。
健診では病気のメインとなる胸部と腹部の検査を行います。
それ以外に気になるところがあれば 獣医師までお伝えください。
CT検査を受ける上での注意点
- 全身麻酔をかけます。それに伴い、前日の深夜0時以降の絶食、当日8時以降の絶水が必要です。
- 麻酔をかけても大丈夫な体調かどうかを調べるための検査が必要です。それには別途検査費がかかります。
- 診断結果は約1週間後にお伝えします。
- 完全予約制です。必ずお電話での予約をお願いします。