嘔吐があれば救急受診が必要か?
2018年02月09日
院長の水越です。今日は「嘔吐」について書きます。
嘔吐を引き起こす原因は非常に多いです。
われわれ獣医師は、「嘔吐」という症状で受診されたペットを診察するとき、とても多くの病気をリストアップします。
そして、一つ一つ除外して、消去法で診断することが多いです。

写真は「スモール アニマル インターナルメディスン 第4版(インターズー)」という獣医内科学の教科書からの抜粋です。
嘔吐には、これだけ原因となる病気があります。
タイトルの「嘔吐があれば救急受診が必要か?」ですが、それは「状況次第」です。
猫は毛づくろいをして、胃に溜まった毛玉を嘔吐して吐き出します。
これは猫の習性です。
1ヶ月に1〜2回、液と毛玉を嘔吐します。
そして、元気も食欲もあれば、受診は必要ありません。
犬も猫も急いで飲み食いした直後に、吐くことがあります。
吐いたものをまた食べて、その後は元気で、もう吐かない。
こういう場合も受診は必要ありません。
他にも緊急受診をするほどではない嘔吐はあります。
先ほど、受診が必要かどうかは、状況次第と書きました。
その「状況」は、診察してみないと分からないのです。
若い犬猫で、元気もあって、食欲もあって、1回嘔吐しただけ。
「夜間救急で診てもらったほうがいいですか?」
そういう問い合わせが、時々あります。
たぶん、必要はないと思います。
でも、背景となる状況は分かりません。
異物を誤食して腸に詰まっているかもしれないし、薬物の誤食かもしれません。
様子を見ることにして電話を切ったとします。
その後も嘔吐は続き、だんだん元気もなくなってくるでしょう。
なので、「大丈夫です、受診の必要はありません」とはなかなか言えないんです。
嘔吐があれば救急受診が必要か?
答えは、
「元気に見えても、念のため、受診したほうがいい」

下のような場合は、夜間でも受診が必要なのは明らかです。
・嘔吐が頻回
・元気もない
・食欲もない
・何かを誤食した(可能性がある)
嘔吐で診察を受けられるときは、下の点をチェックしておいてください。
・どのくらいの頻度か?
・いつからか?
・何を吐いたか?
正確な情報は、正確で早い診断につながります。
それによって、早く元気になれます。

院長
水越健之
ガーデン動物病院
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