犬と猫の救急 ガーデン動物病院

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スタッフブログ

大阪北部でレプトスピラ発症

2017年10月22日

院長の水越です。
大阪北部でレプトスピラ症と診断された犬の届け出が、10月以降に6件あったようです。
レプトスピラ症は犬から人に感染する「人獣共通伝染病」 ですが、今ところ、人への感染はなさそうです。
レプトスピラ症を診断した獣医師は、保健所への届け出が法律で義務付けられており、それほど重大な病気です。
今日はレプトスピラ症について、簡単に説明します。
わんちゃんの飼い主様には、ぜひ知っておいて欲しいことです。


“レプトスピラ”という細菌に感染することで、多くの哺乳類に起こります。
感染している野生のネズミと、直接接触、尿との接触、尿で汚染された水や土壌からの感染が一般的です。
哺乳類同士で感染しますが、通常は人から人への感染は稀です。

レプトスピラには様々なタイプがあり、それによって症状は異なります。
主な症状は、発熱、元気や食欲の低下、嘔吐、脱水、出血、その後、腎不全や肝不全に発展します。
抗菌薬の投与で治療が可能ですが、死亡率は高いです。

犬用のワクチンで予防することができ、8種、9種などのワクチンでレプトスピラの予防が可能です(5種では不可) 。
ただ、レプトスピラについては、ワクチンによる予防効果は1年未満であることが多いです。
その為、毎年1回のワクチン接種では、予防できない場合があります。


ここからは、僕の経験も含めて書きます。
岸和田で開業してもうすぐ8年になりますが、レプトスピラの診断は0件です。
近隣の動物病院でも同様に、少なくともここ10年くらいは0件だと思います。
発症しやすい地域がある程度決まっている、風土病のような感染症だと僕は認識しています。
しかし、そういう地域に連れて行った犬(無症状の潜伏期間に)と散歩などですれ違う可能性はあります。
キャンプなどに犬を連れて行った場合は要注意です。
なので、住む地域に関わらず、しっかりとワクチン接種をすべきです。

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犬のワクチンですが、
*室内生活の犬でほとんど散歩に行かない場合だけ、5種
*そうでない場合は、8種
これがうちの考え方です。
理由がわかったと思います。
レプトスピラを意識した選択基準だったのです。

ワクチン接種について、3年に1回でも大丈夫というガイドラインもあります。
ですが、上で述べた通り、レプトスピラの予防を考えると毎年1回でも不安なくらいです。
当院では、基本的には犬も猫も毎年1回のワクチン接種を推奨しています。

ワクチン接種プログラムについては、また明日、続きを書こうと思います。

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院長
水越健之




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