僕が外来診察から離れた理由
2019年08月28日
院長の水越です。
良く質問を受けるので、きちんとお答えします。
僕が外来診察から離れた理由です。
結論から言うと、「やることが多過ぎて、仕方なく外来診察を減らさざるを得なかった」という理由です。
動物病院の院長であり経営者でもあるということは、プロ野球に例えると、監督と球団社長とオーナーを兼任しているということです。
さらに、外来診察をこなし、手術もこなすとなると、ピッチャーも野手もこなすということです。
二刀流で話題の大谷翔平選手が、監督も社長もオーナーも兼任するようなものです。
開業当初、まだまだ暇だった時期は一人五役が可能でした。
でも、規模が大きくなれば、かなり難しいです。
全てをきちんとこなすことは物理的に不可能なので、多くの院長たちは、経営とマネジメントを疎かにします。
手術が飛び抜けて上手い院長ならば、マネジメントを学ばなくても、そのカリスマ性にスタッフが付いてきてくれます。
でも、僕にはそんな飛び抜けたスキルはありません。
なので、適切なスタッフマネジメントが必要です。
深刻な人手不足、飼い犬頭数が減少し続ける現在、経営とマネジメントを疎かにしてしまうと、病院は潰れます。
スタッフが定着せず、新規採用出来ず、人材不足によって運営が出来なくなるからです。
病院が潰れるということは、地域のわんちゃんねこちゃんと飼い主様に対して一番迷惑をかけることだと思っており、絶対的に避けたいです。
なので、僕は経営とマネジメントを優先することにしました。
獣医大学では経営もマネジメントも教えてくれません。
開業してから、独学で学ぶしかありません。
その勉強は生涯必要です。
自分の自由な時間は犠牲にしても良いけれど、家族に負担をかけたくない、子どもには親らしいことをしてやりたい、そういう思いもありました。
そう考えると、絶対的に時間が足りないのです。
なので、仕方なく診療業務を減らしました。
僕は現在、皮膚科の診察はお引き受けしています。
皮膚科に関しては、うちの病院で僕が一番実力があるからです。
その他の分野には僕よりも優秀な獣医師がいます。
『院長 = 全ての診療科目で一番優秀な獣医師』というイメージがあるかもしれませんが、そうとは限りません。
病院の規模が大きいほど、院長よりも得意な分野を持つ獣医師がいる傾向があります。
だから、僕が外来診察から抜けても、診察の質は下がりません。
むしろ、僕がいない方が勤務獣医師の成長が早く、モチベーションも上がります。
無理をして外来診察を頑張れば、僕の身体もメンタルももたないでしょうし、ミスが増えて飼い主様に不安を抱かせてしまうと思います。
ガーデン動物病院を存続させるために、僕は診療業務から離れることを決めました。
裏方として、ガーデン動物病院を支え、わんちゃんねこちゃんと飼い主様に安心の場を提供したいと思います。
もっと良い動物病院にしていきたいと思います。
院長
水越健之