放っておくと取り返しのつかないことになるかもしれません!!犬の耳の痒みについて
2024年11月23日
皆さんこんにちは。
獣医師の辻村です。
わんちゃんと一緒に生活していると、後ろ足で耳を掻いていたり、耳を気にするように頭を横に振ったりすることがありますよね。
そのような行動の多くは耳の痒みが原因です。
数日に1回ぐらいならそこまで気にしていないと考えられますが、1日に数回そういった行動が見られるのであれば、本人は耳に何かしらの違和感を持っていると思われます。
言葉を話さないので気づくのは難しいですが、実は飼い主様が思っている以上にわんちゃんは耳が痒くてつらいと思っているかもしれません。
本日はわんちゃんの耳のトラブルで最も多い外耳炎についてお話します。
外耳炎とは、その名の通り外耳に起きる炎症のことを指します。
外耳とは、耳介(いわゆる「耳」の部分)から耳道(いわゆる「耳の穴」)を通って鼓膜までのことを指します。
外耳炎の原因はとても多いですが、その中でもアレルギー性皮膚炎によるものが最も多いです。
また、意外と多いのが自宅での耳掃除によって悪化しているパターンです。
特に綿棒などを耳の中まで突っ込んで耳掃除をしてしまうと、それが原因で炎症が起きて余計に外耳炎が悪化してしまうことがあります。
正しい耳掃除の方法については当院の獣医師に聞いていただけるとうれしいです。
外耳炎の治療は、耳掃除をするというイメージの方は多いと思います。
もちろん耳掃除も大切ですが、耳掃除以外にも点耳薬や、飲み薬などが必要になることも多いです。
外耳炎が起きるのには必ず理由があります。
一番大切なのは、適切に外耳炎の原因を判断し、それに応じた治療をするということです。
外耳炎がひどくなると耳道の腫れを引き起こし、耳道が狭くなってしまいます。
そのような状況はさらに外耳炎を悪化させ、より治りにくくしてしまいます。
また、外耳炎が長く続いてしまうと、耳の軟骨にカルシウムが沈着して元に戻らなくなってしまうこともあります。
そのような場合は手術が必要になってしまうこともあります。
外耳炎は軽視されがちな病気です。
しかし、わんちゃんの皮膚疾患で最も多い疾患でもあり、苦しんでいるワンちゃんは多いと思います。
たかが耳の痒みだからと放っておかずに、しっかり治してあげることでわんちゃんの素敵な毎日を守ってあげましょう。
獣医師
辻村