マネジメントレター「学び」
2019年09月11日
院長の水越です。
ここ2~3ヶ月の学びと気づき、それに伴う病院運営の方向転換などをスタッフに向けて「マネジメントレター」という院内ブログに綴りました。
皆さんにも読んでほしいので、その一部をシェアします。
ぜひ続きをご覧ください。
まず、前回のマネジメントレターの一節を読んでください。
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ここ数ヶ月くらいの間に、「色々な学び」があり、45歳にして、ようやく自分のことが分かってきました。
それに伴い、開業以来の自分は、無理をし過ぎて、自分らしくない自分だったと振り返っていました。
未来のこと考えてばかりで、経営の勉強に必死で、「今ここ」が疎かになり、いろんなところで歪みが出て、正直しんどかったです。
そういう反省をし、経営に専念してください規模拡大を急ぐのではなく、院長を続け、きちんと現実に向き合うことに決めました。
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1行目に「色々な学び」という言葉があります。
その学びのおかげで、病院運営の方向修正をしようと思うことができました。
たぶん、みんなの望む方向に近づく修正が出来たのではないかと思っています。
僕はよくセミナーや研修にいきます。
みんなは「なんでそんなに勉強しにいくのだろう?」「何を勉強してるんだろう?」と疑問に思っていると思います。
今回は、その「学び」について書きます。
経営、マネジメント、コーチングの知識やスキルを手にいれるためが学びもあります。
でも、ここ一年くらいは、そういう知識やスキルよりも、自分を磨くために学んでいます。
と言われても、ピンとこないですよね?
「組織はトップの器以上に大きくならない」と言われます。
その器を大きくするために学びに行っています。
まだ分かりにくいですよね?
以前のミーティングで、「コミュニケーションの行き違いは、話し手と聞き手にそれぞれフィルターがあるからだ」 という話をしました。
自分のフィルターを通して言葉を発する。
自分のフィルターを通して言葉を受け取る。
そして、自分なりの解釈をする。
だから、話し手が伝えたかったことが、そのまま聞き手に伝わらない。
コミュニケーションミスが起こり、いろいろな問題が起こる。
というような内容でした。
人の器を大きくするということ。
その1つの方法は、自分がどんなフィルターを通して、物事を解釈しているかを理解することだと思います。
具体例があった方が分かりやすいと思うので、8月末の合宿研修での気づきを共有します。
3日間の合宿の2日目の夜に懇親会がありました。
コーチングを学ぶ仲間たちが多く参加していた合宿でした。
初参加の男性がいて、たまたま僕と同じ45歳でした。
隣のテーブルでその彼が輪の中心になって、すごく盛り上がっていました。
その時、僕は彼が羨ましく、ちょっと嫉妬していることに気がついたんです。
そういうネガティブな感情が起こるには必ず理由があるんです。
それを深く掘っていくと、何らかの「思い込み」があることに気づきます。
その思い込みが、上で説明した「フィルター」です。
別の学びの場で分かったのですが、僕には「人とつながりたいけど、どうせつながれない」「無条件では人とつながれない」という思い込みがあります。
「どうせつながれない」という思い込みから、人と関わるのを避けてしまう傾向が僕にはあります。
幼少期、もっと兄に可愛がってほしかったという体験があり、それが思い込みを生むきっかけになったようです。
可愛がってほしいけど、どうせ可愛がってもらえない だから1人で遊ぶんだ だから他の人に遊んでもらうんだ という体験。
「本当は可愛がってほしい」という願望が裏にあって、それが45歳になった今でも時々顔を出すのです。
飲み会でいじられて、盛り上がっている輪の中心にいる彼を見て、自分も可愛がってほしいという小学生の僕が 心の中でザワついたんです。
すごく面倒くさい奴ですね。
でも、そういう内面で起こっている構造を理解しておけば、次にそういう場面に出くわしても、そんな自分を俯瞰して見れるんです。
冷静に見れるから、心のザワつきは最小限にとどまり、そのうち気にならなくなっていきます。
「どうせつながれない」という思い込みを、「だから人と関わらないでおこう」という逃避行動で対処してきた一方で、「頑張って、結果を出して、認めてもらえばつながれる」という期待を込めた克服行動も起こしてきました。
僕にとっての克服行動、それは受験勉強を頑張り、獣医師になり、勤務獣医師の時は血液内科を極めようとし、そして開業して、地域の中核病院を作ったことです。
さらに、日本一を目指そうと思ったんです。
世の中のためではなく、お金のためではなく、人に認められて、つながってほしいから日本一になろうとしていた。
ということに気がついてしまいました。
もし、日本一の病院を作れたとしても、僕は満たされないでしょうね。
「どうせつながれない」という思い込みがあるから、スタッフとの関わりからも逃げようとして、院長を誰かに譲り、経営者に専念しようとも思っていました。
そういうことに気がついて、ハッとしました。
そういう気づきがあって、前回のマネジメントレターを書きました。
そして、この1ヶ月でさらに自己理解がより深く、明確になり、この文章を書くことが出来ました。
スタッフマネジメントに悩み、貪るように色んなことを勉強してきましたが、これでもう大丈夫と思えたことはありませんでした。
でも、やっとこの夏、道が開けた感じがしています。
そして、本当に心から納得できる病院経営やマネジメントの方針、自分のミッションというようなものが、やっと見えてきました。
これからの学びについても、本当に必要な内容に絞り、あれこれ手を出さなくても良さそうです。
そういう状態になり、学んできたことが無駄ではなかったと思えたので、「学び」について書こうと思えました。
そういう気づきや学びを得た今、まずはこのチームを最高のチームにしたいと思っています。
地域の中核病院にとどまらず、リクルート活動をしなくても求人の応募が殺到し、日本全国から注目されるような素晴らしいチームにしたいと思っています。
素晴らしい会社、組織、病院ではなく、「素晴らしいチーム」にしたいんです。
そのためにも、まず自分を磨くことにしました。
そして、考え過ぎたり、色んなことに手を出さず、ちょっと肩の力を抜いて、本当の自分を大切にしてみようと思っています。
常に周りの目を気にして、「つながるためにどうするか?」「つながりを切られないためにどうするか?」という基準ではなく、「自分」という判断基準を持とうと思います。
僕が作りたい最高のチームとは、スタッフ全員がありのままを出せるチーム、安全安心と感じられるチームです。
そういうチームならば、自発性を発揮し、セルフマネジメントを可能にするからです。
そのためには、まずはトップの僕がありのままありの自分を表現しなければ始まらないはずです。
今までは、僕が自分自身を抑圧し、ありのままの自分を出していなかったこと、それがチームの成長の最大の足かせになっていたと思います。
だから、これからも自分を磨き続ける。
そのため、良く学び、気づいたことを実践していこうと思っています。
以上です。
院長
水越健之