子宮蓄膿症
2016年02月09日
子宮蓄膿症(シキュウチクノウショウ)のわんちゃんの治療報告です。
7歳のアメリカン・コッカー・スパニエルの女の子が3日前から元気食欲が無く、下痢をしているとのことで当院に来院されました。血液検査を行ったところ、白血球の数値の上昇、CRP(炎症マーカー)の上昇が確認されました。またお腹の超音波検査では内部に液体の溜まった子宮が膀胱付近にはっきりと確認されました。以上のことから子宮蓄膿症の可能性が高いと判断し、すぐに緊急手術を実施しました。お腹の中では子宮全体が膿で膨れ上がっていました。
子宮を卵巣と共に丁寧に取り去り、手術を終了しました。手術後からゆっくりと元気・食欲も以前のように回復し、現在は下痢も無く元気に過ごしています。
子宮蓄膿症とは細菌感染を起こして子宮内部に膿が溜まる病気です。
通常は5歳以上の避妊手術をしていない女の子に起こります。
初めは無症状なことが多いですが、悪化するにつれて元気・食欲の減退、嘔吐、下痢、多飲多尿(水をたくさん飲み、おしっこをたくさんする)などが見られます。
子宮が破れてお腹の中に膿が漏れ出た場合、腹膜炎を起こして死に至ることもあります。
治療法としては外科手術によって子宮と卵巣を切除するのが最も確実な方法です。
この病気は避妊手術を受けていれば予防が可能です。
このような病気を予防するため、当院では繁殖を望まない女の子には早めの避妊手術をお勧めしています。
また高齢になっても病気になってしまう前であれば予防が可能ですので、避妊手術をお考えの場合は当院まで遠慮なくご相談下さいませ。