犬と猫の救急 ガーデン動物病院

電話 072-440-0689

診療時間 9:00〜11:30 / 16:30〜18:30 休診日 火曜日

サイトメニューの表示

スタッフブログ

免疫介在性血小板減少症の症例紹介 犬 貧血 輸血 

2016年01月17日

症例は5歳のアメリカンコッカースパニエルです 避妊手術を済ませた女の子です

歯茎が赤く、出血していることに気づき、近くの動物病院を受診されましたが、治療を受けても良くならず、尿にも血が混じるようになりました
そのため、別の病院を受診され、血液検査によって血小板減少症という診断を受け、プレドニゾロンという薬で治療を始めました しかし、病状は回復せず、当院を受診されました

血液検査を実施したところ、血小板は非常に少なく、出血が続いていたため、ひどい貧血も起こしていました
危険な状態であり、緊急輸血を実施しました
輸血によって、状態は落ち着いたため、血小板減少症の治療を開始します
各種検査より、血小板減少症の原因は自分の免疫が自分の血小板を破壊しているということが疑われました(免疫介在性血小板減少症) その場合、一般的な治療はプレドニゾロンというステロイド剤の投与なのですが、前の病院で既に実施されていて、それが無効であったため、免疫抑制剤であるシクロスポリンを併用して治療を開始しました
数日後には、血小板が増加し始め、一週間後には正常値にまで回復しました 
その後、副作用が心配なプレドニゾロンは少しずつ投与量を少なくしていき、副作用が心配ない量でも血小板は正常値を維持することができるようになりました
現在は、近くの動物病院で継続治療を受けてもらっています

当院では、このような血液疾患の診療にも力を入れて取り組んでいます

写真は血小板が増加し始めた時の血液像です
青い丸の中にある小さいツブツブが正常なサイズの血小板です
赤い矢印の先にある、少し大きめの二つの粒が、活発に増殖されている時に見られる大型の血小板です


ブログ一覧

最近の記事(10件)

過去記事アーカイブ