猫の痛み止めのお話
2025年01月18日
こんにちは、院長の宮端です。
近頃はわんちゃんねこちゃんも『健康寿命』ということがよく言われるようになりました。
健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることがなく生活できる期間」のことです。
痛みを抱えながらではなく、痛みがなく元気に快適に過ごせる期間をいかに延ばしてあげられるかという考え方です。
年を取ると僕たち人間も、膝や股関節の関節が痛くなったり昇り降りが苦痛になったりしますよね。
それはわんちゃんねこちゃんも同じです。
以前にわんちゃんの関節症の話をブログで書きましたが、実はねこちゃんの方が変形性関節症になってしまう割合は高いのです。
ねこちゃんは日頃、痛みを訴えることがあまりなく明確な症状を出さないので気付きにくいのですが、7歳以上で50%近くのねこちゃんで変形性関節症にかかっているという報告があり、そして、12歳以上で90%近くの猫ちゃんで、レントゲン検査で変形性関節症を確認できたという報告があります。
実は気付かないうちにたくさんのねこちゃんが悩まされている病気なのです。
以下に変形性関節症のねこちゃんに見られる症状を挙げました。
当てはまるものはないですか?
・ジャンプができなくなった
・高いところから飛び降りれなくなった
・階段を登らなくなった
・あまり動かなくなった
・よく眠るようになった
・あまり遊ばなくなった
・トイレ以外で排泄するようになった
・毛繕いをしなくなった
・昔より怒りやすくなった
当院で取り扱っている関節症の注射は月に1回の注射薬になります。
痛み止めというと一般的には腎臓への負担などが心配される点かと思いますが、安全性が非常に高く、副作用はほとんどありません。
高齢のねこちゃんでも安心して使えます。
データでは約70%の子が1回目の注射から効果が実感でき、2回目で約80%の子の臨床症状が改善できるようです。
月に1回の注射薬で、ねこちゃんの生活の質が向上する可能性があるのであればやってみてはいかがでしょうか?
僕はこの注射薬が発売されてから今まで何回か当院のねこちゃんに使用しましたが、動きだけじゃなく食欲も出て、嘔吐も治ったという猫ちゃんもいました。
是非たくさんのねこちゃんに効果を実感していただきたいです。
もしご興味のある方は、ご気軽に病院にて相談してください。
獣医師
宮端