慢性腸症
2024年12月14日
こんにちは、獣医師の吉本です
今日はうちの子の紹介をかねて、「慢性腸症」についてお話しします
ちゃと 現在14才 茶トラ 男の子です
小さい頃から軟便、下痢を繰り返していました
恥ずかしながら当時知識のなかった私と私の家族はネコってそんなもんなのかなあ、と思っており、積極的な治療は行っておりませんでした
下痢や軟便、嘔吐などの消化器症状が3週間以上続き、スクリーニング検査をしても原因が特定できない状態を「慢性腸症」と言います
慢性腸症の治療法と原因の突き止め方は、とにかく除外!です
根気のいることだとは思いますが、一個ずつ検査をして、原因を除外をしていきます
そして、個人的に侮ってはいけないと思っていることが、「食事の変更」です
ご飯でなにが変わるんと思う方もいるのではないでしょうか
ですが、慢性腸症の中でも「食事反応性腸症」は発生頻度が高いです
消化にいいごはん
繊維が多いごはん
低アレルゲンのごはん
ご飯にもたくさん種類があります
それぞれ2週間以上試してみて、食事ではなかったね、と判断させていただくので、これまた根気がいります
ただ、麻酔をかけたり、痛い思いをする検査ではないので、動物にとって負担は少ないかと思います
やってみる価値はあります
それでも改善しなければ、麻酔をかけて生検をしたり、免疫抑制薬の使用を検討したりします
下痢は動物にとってはもちろん、一緒に生活するご家族にとってもストレスがかかります
愛する家族にはいつまでも健康でほしいですよね
ちなみにわが家の「ちゃと」は低アレルゲン食に変更するとすごくいいうんちになりました
まず1番大事なのはこれは普通じゃないんだ、という認識です そして適切な治療です
認識するためにもなんでも気になることがあればご相談ください🙂
また、春・秋の健康診断もご活用くださいね
今回紹介したごはんですが、市販のものではなく「療法食」にあたるので診察でご相談ください
また、動物の体調や症状によっては食事療法の対象ではないこともあるのでご相談ください
獣医師
吉本