犬猫の腫瘍 肛門嚢アポクリン腺癌
2024年04月20日
こんにちは、獣医師の秦です。
今日から、何回かわかりませんがワンちゃん、ネコちゃんの「腫瘍」についてのブログを書いていこうかな、、、と思っています。
最初の投稿はこの写真から。
コチラは当院で撮影したCT画像です。
矢印の腫瘤がいろんな臓器を押しのけている様子が伝わりますか??
この腫瘤は「肛門嚢アポクリン腺癌」がリンパ節に転移して大きくなったものです。
「転移」というのは、腫瘍細胞が発生源である「原発巣」から離れて定着したものを言います。
この子の原発巣はと言うと、、、
ココ。
原発巣よりも転移巣の方が大きいです。
基本は原発巣の方が大きいことが多いのですが、この腫瘍の特徴として転移巣の方が大きくなることがあります。
この子は転移巣が腸を圧迫していて、血便症状を発症していました。
臨床症状にも転移巣の状態が大きく関わってきます。
今日は肛門に発生する腫瘍の1つ、「肛門嚢アポクリン腺癌」を紹介しました。
肛門に発生する腫瘍として、他には「肛門周囲腺腫」というのもあり、最も発生率が高いです。
この腫瘍は、基本的には去勢手術をすることで発生の防止をすることができます。
去勢手術にこんな意味もあるんだということも最後に紹介して、おわります。
2回目は未定ですが、「若い子に発生する腫瘍」を考えています。
違ったらすいません(≧∀≦)!
獣医師
秦