命の尊さ
2021年05月04日
院長の水越です。
前回の続きです。
胎盤早期剥離による緊急帝王切開で第四子が誕生し、妻が術後ICUで集中治療を受けることになったこと。
妻の死を受け入れられない未熟な自分を受け入れたことなどについて、前回のブログで書きました。
起こることは全て最善のタイミングで起こるという思想。
妻が死ぬかもしれないという状況であっても、全ては最善のタイミングで起こっているとは僕には思えない。
自分はそんなに高尚な人間ではないということ、まだまだ未熟者だということを受け入れました。
すると、全身の力が抜け、我慢していた涙があふれました。
本当の自分、素の自分に戻れた気がしました。
その後、赤ちゃんとの面会(妻とは面会できないので)、預けていた妻の荷物をとりに病院へ向かいました。
出発してすぐに病院から電話があったので、近くのコンビニに停めて電話に出ました。
出血が止まってきたという連絡でした。
一晩、大量の輸血をしたので、肺水腫の管理のため、補助呼吸を続けるとのことでした。
僕の中で、出血のコントロールができれば助かるという確信がありました。
ホッとしました。
術後の面会で妻から感じとった生命エネルギーのオーラは嘘ではなかったと思いました。
その次の日の夕方、気管チューブを外すことができ、一般病棟に移動になりました。
そして、順調に回復し、その1週間後に退院することができました。
今回のこの大きな出来事には大きな意味がありました。
「自分を受け入れる」
それがこの出来事の意味だと思います。
自分を受け入れるとは、自分の長所や好きなところではなく、短所や嫌いなところ、ダメな自分を受け入れるということだと思います。
妻が死ぬかもしれないという状況でさえも、僕は自分が成長したら、その状況を乗り越えられると初めは思っていました。
心の成長とはそういうことではなく、自分のいい面だけではなく、ダメな面も理解して、受け入れる、許すということだと思います。
力を入れるのではなく、力を抜くということ。
経営者、チームリーダーには人としての器の大きさを問われることがあります。
何かトラブルが起こった時に、自分が悪いのではなく、スタッフが悪いとか、景気のせいだとか、コロナのせいだとか・・・。
そういう姿勢ではなく、自分の非を認めらることが必要だと思います。
それを体験を通して僕に教えるための出来事だったのだと思います。
このことは何度も本で読み、セミナーでも聞いていたので、概念としては知っていました。
でも、体験しないと腹落ちしないということを再確認しました。
そして、先日、赤ちゃんも退院することができました。
やっと家族がそろいました ^_^
今回の出来事で、もう1つ学んだこと。
それは「命の尊さ」です。
出産は命がけだということを痛感しました。
そして、生まれてくる小さな命の尊さも。
妻と赤ちゃんの命を救ってくれた救命救急センター、産婦人科、小児科の医師、看護師、スタッフの皆様には感謝しかありません。
「命を救ってくれて、本当にありがとうございました」と改めて、心からお礼を言いたいです。
ガーデン動物病院も年中無休、深夜0時までの夜間救急対応をおこなっています。
それを守ってくれているスタッフには感謝していますし、誇りに思います。
命を守るということ、いつでも診てくれるということが患者様、飼い主様にとって一番の安心になることを身をもって体験しました。
「いつでも診る」という開業以来、大切にしている方針をこれからも守っていきたいです。
院長
水越健之