無症状でも安心は禁物
2021年01月09日
お久しぶりです、獣医師の勝呂です。
今回は日常ではなかなか気づかれにくい、猫の心臓病についてお話したいと思います。
ご存じの方も多いとは思いますが、僕は現在、猫の「まる」と一緒に暮らしています。
大学時代に青森の商店街で保護してから、早いもので4年が経ちました。
定期的に健康診断も受けており、有難いことに、今のところは大きな病気にかかることなく、健康的にのびのびと暮らしています。
最近やや肥満気味なので、しっかり体重管理をしなければいけないと身を持って感じております(笑)
とはいえ猫の場合、無症状でも安心できない病気があるのです。
いったい何の病気か、皆さんはご存じでしょうか?
それは、猫の心臓病です。
犬の場合、心臓病は定期的な健康診断や普段の診察などで、身体検査や聴診をすることによって、早期に発見することができます。
しかし猫の場合は、聴診のみで心臓病が発見できるのはごく少数です。
無症状であることが多く、普段気づかれないことがほとんどです。
顕著な症状がない見た目上健康な猫の約15%が、心臓病と診断されているとの報告もあります。
日常で認められる症状としては、
① 運動時に疲れやすい
② 呼吸が荒いことがある
③ 開口呼吸することがある
などが挙げられますが、はっきりとした症状が認められるのは、心臓病の猫のうち10%以下と非常に少ないです。
気づかれにくい猫の心臓病ですが、発見される時には既に重篤な状態であることが多く、心臓病により血栓症や肺水腫などの病気になってしまい、急死することもあります。
猫の心臓病は、実際に心臓の超音波検査を実施しなければ発見されにくいです。
当院では、定期的な画像健診や不妊手術の術前検査として心エコー検査を実施しております。
健康な猫ちゃんも、心臓の超音波検査の実施をご検討してみてはいかがでしょうか?
ただし性格上検査が困難であることもありますので、一度獣医師に直接ご相談下さい。
獣医師
勝呂