犬と猫の救急 ガーデン動物病院

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スタッフブログ

熱中症

2020年06月09日

院長の水越です。

梅雨入り前なのに、夏のように暑い日が続いていますね。

コロナもまだまだ安心でませんが、これからの時期は熱中症も心配です。

夏本番になる前に、熱中症について、おさらいしておきましょう。



●まず、熱中症になりやすい犬種や、状況は?



(1)なりやすい犬種

換気が下手な犬(短頭種:ブルドック、フレンチブルドック、パグなど)、太っている犬、毛が密な犬は体温が下がりにくい。



(2)なりやすい状況

気温が高い環境、運動、興奮、けいれん発作など。



●次に、なぜ体温が上がるだけで、危険な状態に陥ってしまうか?





高い体温が続くと、体を作るタンパク質が壊れます。

そうすると、様々な臓器がうまく働くことができなくなります。

さらに悪化すると臓器が死んでしまい、全く働くことができなくなります。

例えば、脳の働きが悪化すると、最初は、眠そうにしたり、元気がなくなります。

さらに悪化すると、意識がなくなったり、けいれん発作を起こしてしまいます。





高い体温が続くと、過剰なパンティングが起こります。(運動後のようにハアハアと激しい呼吸をします)

パンティングによって、体温を冷まそうとしているのですが、吐く息には水蒸気が含まれているので、長時間続くと脱水症状に陥ります。

脱水症状が悪化すると、血液がドロドロになり、全身にうまく血液を送り届けることができなくなってしまいます。(ショックという状態です)

血液がうまく届かないということは、酸素や栄養の運搬ができないということです。

①と同様に、様々な臓器がうまく働くことができなくなります。





高い体温が続き、過剰なパンティングが起こると、喉や気管を痛め、腫れることもあります。

そうすると、呼吸による空気の出入りがうまくいかなくなります。

酸素の取り込み、二酸化炭素の吐き出しがうまくいかないということです。

この場合も、酸素不足などで、様々な臓器がうまく働くことができなくなります。







 


●最後に、対策について

一番重要なのは、熱中症にならないこと。



そのためには、

・熱中症のリスクが高い犬種、状況を理解する

・下記の期間は散歩を早朝にする(あくまでも目安です この期間外でも暑い日は要注意です)

リスクが高い犬種 5月~10月
その他の犬種 梅雨明け~9月ごろ

・留守番をさせるときは、温度管理に気をつける

・車内や暑いところに放置しない

・万が一の時に備え、体温計を常備しておく



もしもの場合は、体を冷やしながら病院に直行です。

それが必要な体温は41度です。

ただし、40度を超えるようなら、その後こまめに(5分間隔)体温測定をしましょう。

39.5度まで下がれば安心です。

40度から上昇傾向であれば、「冷却」+「受診」が必要です。

<冷やし方>

・水で体を濡らしながら、風を送る

・脇の下、内股などは保冷剤で冷やす



短頭種気道症候群をご存知でしょうか?

フレンチブルドック、パグ、シーズーなどの短頭種(鼻ペチャ犬)に特有の問題です。

ちょっと動いただけで、喉をガーガー鳴らす息遣いになります。

短頭種は熱中症のリスクが高いですが、短頭種気道症候群を持つ犬は特に注意が必要です。

4歳までに矯正手術を受けることで、改善します。

短頭種の子の飼い主様は特に熱中症に気をつけて過ごしてあげてくださいね。



以上です。





院長
水越健之

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