犬と猫の救急 ガーデン動物病院

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フィラリア症

2020年04月04日

こんにちは、獣医師の因野です。

フィラリアの予防シーズンが来ました。

わんちゃんを飼っている方はご存知の方が多いとは思いますが、蚊に吸血されることによって感染する寄生虫病です。



犬糸状虫(イヌシジョウチュウ)とも言われ、1030cmにもなるそうめん状の細長い寄生虫です。



わんちゃんからわんちゃんには感染しません。

蚊の吸血によってフィラリアの幼虫であるミクロフィラリアが皮膚の中に進入し、その後血管内に移動し心臓や肺動脈(心臓から肺につながる血管)に寄生し成虫となります。



成虫は57年生存します。

フィラリアの予防薬はこのミクロフィラリアが血管内に移動する前に駆虫する薬です。

成虫まで成長してしまうと心臓や肺動脈に寄生するため、心臓や肺が悪くなり呼吸困難、失神、咳、喀血、腹水などの症状をが認められます。

フィラリアの成虫に対しては通常の予防薬で駆除はできません。

軽症では通年の投与により寿命を縮めて死滅するのを待ちますが、死滅した成虫が肺の血管を詰まらせることもあります。

重症では頸静脈という首にある太い血管から心臓にいるフィラリアの成虫を吊り出して摘出します。



ねこちゃんではあまり知られていませんが、稀に感染します。

ねこちゃんに感染すると、重度の呼吸困難が生じて、原因の特定も追いつかいうちになくなってしまうことも多いです。



フィラリアの感染は予防薬によりほぼ100%予防できます。

蚊が発生する1ヶ月後から蚊がいなくる1ヶ月後までが予防期間とされており、5月から12月が主な予防期間となります。

しかし、最近では環境や気候の変動などが原因で冬でも蚊が発生し、環境が整えば冬でも繁殖してしまいます。

そのため、当院では本年度から年中予防、つまり1年中、月に1回の予防薬の投与をお勧めしています。



感染してしまうと命に関わる病気です。

そして予防薬の投与により防ぐことにできる病気です。

月に1回、ねこちゃんに対しても忘れずに投薬してあげましょう。





獣医師

因野

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