噛み犬カール
2019年06月01日
動物看護師の村田です。
祖父母の家にカールという名前のトイプードルがいました。
それがまた恐ろしいわんちゃんで・・・。
幼少期から動物への好奇心が強く、祖父母の家でカールを見つけては近づいて撫でようとしたり、抱っこしようとしたりしていました。
白いトイプードルの男の子でとっても可愛いのです。
しかしカールは心を開いてくれず、私に吠え、唸って、噛んで…
祖父母の家は少し遠方で年に1回ほどしか行くことが出来ないため、私はどれだけカールに怒られても「カールに会える!」と毎度とても楽しみにしていました。
何度会っても、何年経ってもカールの行動は変わりませんでした。
そして、私はこんなにもカールが大好きなのになんで仲良くなれないんだろう?とずっと疑問でした。
しかし動物看護師としてドッグトレーニングや行動学を勉強しているうちに、カールが変わらないのは私が変わっていないからだったのではないか、と今は思います。
カールは祖父母からはおやつを毎日もらっていて、祖父母にすごく懐いていました。
一方、カールからすれば私なんて年に1回来るか来ないかのほぼ他人ですし、私は美味しいおやつも持たずいきなり触ろうとしていました。
あまりにも幼く、わんちゃんとのコミュニケーションを全くわかっていませんでした。
カールの性格上、他人がおやつもなしに馴れ馴れしく触ってきたら「何する気だ!」となっていたのでしょう。
今の私なら「この人に関わると良いことがある!」と条件付けしようと頑張るでしょう。
おやつを少しずつあげて、いきなり撫でずにアイコンタクトをとって…と、ちょっとずつ距離を縮めていると思います。
ですが、文面からしてお察しかと思いますが時は既に遅く…
あんなに仲良くなりたかったカールは数年前、私が動物看護師になる前にこの世を旅立ちました。
最後に会ったのは約10年前で、結局私はカールに何もしてあげられていません。
聞いたときは悲しくて寂しくて、カールのことを忘れたいとあまり思い出さないようにしていました。
しかし行動学やドッグトレーニングの勉強をしているうちにカールのことを思い出し、カールが心を開いてくれる方法があったのかもしれないと知り、今は後悔も出てきました。
その背景もあり、看護師としてもそうですが1人の人間として大好きなわんちゃんとの絆を作るために、新しく有効な情報を取り入れ知識を深めようと今も尚、勉強中です。
そして飼い主様の助けとなれるようなことを身につけできる限りを尽くします。
何かお困りのことがあればおひとりで悩まず、スタッフに相談してみてくださいね。
動物看護師
村田