犬と猫の救急 ガーデン動物病院

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スタッフブログ

熱中症

2019年05月28日

院長の水越です。 

まだ5月ですが、日中の暑い時間だと、熱中症にならないとは言えません。

今日は、熱中症について、知っておいてほしいことをお伝えします。 



まず、熱中症になりやすい犬種や、状況は? 



①なりやすい犬種 

換気が下手な犬(短頭種:ブルドック、フレンチブルドック、パグなど)、太っている犬、毛が密な犬は体温が下がりにくい。



②なりやすい状況

気温が高い環境、運動、興奮、けいれん発作など。 



次に、なぜ体温が上がるだけで、危険な状態に陥ってしまうか? 





高い体温が続くと、体を作るタンパク質が壊れます。

そうすると、様々な臓器がうまく働くことができなくなります。

さらに悪化すると臓器が死んでしまい、全く働くことができなくなります。

例えば、脳の働きが悪化すると、最初は、眠そうにしたり、元気がなくなります。

さらに悪化すると、意識がなくなったり、けいれん発作を起こしてしまいます。 





高い体温が続くと、過剰なパンティングが起こります。(運動後のようにハアハアと激しい呼吸をします)

パンティングによって、体温を冷まそうとしているのですが、吐く息には水蒸気が含まれているので、長時間続くと脱水症状に陥ります。

脱水症状が悪化すると、血液がドロドロになり、全身にうまく血液を送り届けることができなくなってしまいます。(ショックという状態です)

血液がうまく届かないということは、酸素や栄養の運搬ができないということです。

①と同様に、様々な臓器がうまく働くことができなくなります。



 

高い体温が続き、過剰なパンティングが起こると、喉や気管を痛め、腫れることもあります。 

そうすると、呼吸による空気の出入りがうまくいかなくなります。 

酸素の取り込み、二酸化炭素の吐き出しがうまくいかないということです。 

この場合も、酸素不足などで、様々な臓器がうまく働くことができなくなります。 









最後に、対策についてです。 

一番重要なのは、熱中症にならないこと。



そのためには、

・熱中症のリスクが高い犬種、状況を理解する

・下記の期間は散歩を早朝にする(あくまでも目安です。この期間外でも暑い日は要注意です。)

リスクが高い犬種 5月~10 
その他の犬種 梅雨明け~9月ごろ

・留守番をさせるときは、温度管理に気をつける

・車内や暑いところに放置しない

・万が一の時に備え、体温計を常備しておく



もしもの場合は、体を冷やしながら病院に直行です。

それが必要な体温は41度です。

ただし、40度を超えるようなら、その後こまめに(5分間隔)体温測定をしましょう。

39.5度まで下がれば安心です。

40度から上昇傾向であれば、「冷却」+「受診」が必要です。



<冷やし方>

・水で体を濡らしながら、風を送る 

・脇の下、内股などは保冷剤で冷やす



短頭種気道症候群をご存知でしょうか?

フレンチブルドック、パグ、シーズーなどの短頭種(鼻ペチャ犬)に特有の問題です。

ちょっと動いただけで、喉をガーガー鳴らす息遣いになります。

短頭種は熱中症のリスクが高いですが、短頭種気道症候群を持つ犬は特に注意が必要です。

4歳までに矯正手術を受けることで、改善します。

短頭種気道症候群については、別に機会に詳しく説明します。 

以上です。 





院長 
水越健之 

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