犬と猫の救急 ガーデン動物病院

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プレドニゾロン(ステロイド、副腎皮質ホルモン)という薬について

2018年10月09日

大阪府岸和田市のガーデン動物病院、院長の水越です。

プレドニゾロンは、アトピー性皮膚炎など、免疫異常によって起こる様々な病気に有効な薬です。
すごくいい薬です。うまく使えば、ですが。
9月にアトピー性皮膚炎について書きました。
そこでも少し触れましたが、プレドニゾロンはいい薬ですが、大きな副作用があります。
使い方を間違えると大変なことになります。

我々、獣医師にとっては、プレドニゾロンは一番重要な薬といっても過言ではありません。
主な働きはこの二つです。
・炎症を抑える
・免疫を抑える

要するに、こういうことです。
・熱が下がる
・腫れが引く
・痛みが止まる
・かゆみが止まる

多くの病気の症状を抑えてくれます。
本当に良く効きます。
そして、安いというメリットもあります。

でも、副作用という大きな問題があります。
・肝臓への負担
・免疫力の低下
・筋力の低下
・皮膚が薄くなる
・毛が抜ける

など。

なので、効き目と副作用のバランスを取りながらの投薬が必要です。
100点満点ではないけれど許容できる範囲に症状を抑えつつ、副作用も最小限で許容範囲にととどめる。
そういうバランスを保った投薬プログラムが必要です。

僕の専門は皮膚科なので、皮膚科での事例で解説します。

“かゆい”という症状を止めるために、プレドニゾロンを処方する。
これは正しい処方かもしれないし、間違った処方かもしれません。
“かゆい”という症状を引き起こす皮膚病はたくさんあります。

例えば“膿皮症”という皮膚病があります。
皮膚に常在(共存)する黄色ブドウ球菌が繁殖して皮膚炎を引き起こします。
原因は黄色ブドウ球菌です。
根本治療は菌を殺すことであり、抗生物質の投与や抗菌シャンプーによる薬浴です。

“かゆい”という症状が起こるので、プレドニゾロンを処方するとします。
“かゆい”という症状は軽減されます。
でも、プレドニゾロンには“免疫力の低下”という副作用があります。
それによって、ブドウ球菌に対する抵抗力も低下し、ブドウ球菌が死ににくくなります。
抗生物質や抗菌シャンプーが効かなくなってしまうかもしれません。

軽い膿皮症ならば、抗菌薬を2週間も飲めば治ります。
でも、かゆみ止めのプレドニゾロンも一緒に処方されることで、菌が死ななくなり、なかなか治らないということになってしまうかもしれません。
ひどい場合は1年以上も膿皮症が治らずに苦しむこともあります。

プレドニゾロンは内服薬です。
商品名がプレドニンという薬の他、ジェネリック薬もたくさんあります。
pre

副腎皮質ホルモン剤には、外用薬のタイプもあります。
外用薬の乱用によっても、副作用が起こることがあります。
良くあるのは脱毛症です。
写真をご覧ください。

datumou

外用薬です、プレドニゾロンの他にも、多数の薬剤が使われています。
下の表を参考にしてください(人間用の薬)

steroid

動物用の薬としては、ビクタスクリーム、コルタバンスがよく使われます。
点耳薬を皮膚に塗って使うことがありますので、有効成分をお確かめください。
victas
cortavance

副腎皮質ホルモン剤は、内服薬も外用薬も「毒だ」と言っているのではありません。
「使い方を間違えると大変なことになる」
ということです。誤解しないでください。

「このプレドニゾロン(プレドニン)の処方は正しいの?」
そういう疑問や不安があれば、当院の獣医師にご相談ください。
お力になれると思います。

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院長 水越健之

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