(症例紹介)タンパク漏出性腸症 低アルブミン血症 低タンパク血症
2017年03月16日
院長の水越です。
今日は、私の愛犬のんちゃんの、春の健康診断でおこなった血液検査についてお話します。
毎日、元気に過ごしていますが、毎年2回、春と秋には健康診断の血液検査を実施してきました。夏には画像健診を、冬には泌尿器健診も受けています。
今回の血液検査で、治療が必要な大きな異常が見つかりました。
1枚目の写真が検査結果です。1行目と2行目の項目「総蛋白」「アルブミン」が低値でした。いずれも血液中のタンパク質の量を示す数値です。それらが低値になる原因は、腸での吸収が悪い、尿から漏れている、肝臓の機能が低下している、食事が少ないなどが考えられます。
2枚目の写真は、春と秋の健康診断を受けていただいた患者様に、検査結果と一緒にお送りしているお手紙です。のんちゃんの場合は、健康診断の時に異常があった項目の再測定、尿検査(尿へのタンパク質の漏れをチェックするため)、腹部エコー(腸の状態、肝臓の状態、腎臓の状態などを画像をチェックするためです)を計画しました。
再測定でも「総蛋白」「アルブミン」は低く、エコー検査では腸が厚くなっていることがわかりました。肝臓と腎臓は画像上は問題なし、尿検査も問題なしでした。これらの検査結果から、腸からのタンパク質の漏れ(タンパク漏出性腸症)があると判断しました。
タンパク漏出性腸症の原因は、腸の炎症と腫瘍に分けることができます。それを区別するためには、内視鏡検査が必要です。組織をとって病理検査と遺伝子検査(リンパ腫のクローナリティー検査)を行います。このように確定診断をするために、さらに検査をしていくというプランがあります。
もう一つのプランは食事療法です。タンパク漏出性腸症には、アレルギー予防食や高繊維食に変更することで改善する場合があります。
のんちゃんは症状がなく、元気そうにしているので、食事療法から始めました。その結果、健康診断時に1.9だったアルブミンは、4週間後には2.4まで回復しました。もう少し増えてくれると安心なのですが、しばらくは食事療法と血液検査モニターで経過を見ていく予定です。
のんちゃんのように、健康に見えても病気が隠れているわんちゃんやねこちゃんは意外に多いです。
ガーデン動物病院では、3月~5月の間に、わんちゃんにはフィラリア検査+健康診断の血液検査、ねこちゃんには健康診断の血液検査を受けていただくことをお勧めしています。
詳しい内容はこちらをご覧下さい。
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